冥王星が惑星じゃなくなった。。。。。というニュースは広く新聞でも取り上げられご存知の方も多いかと思います。もちろん、冥王星を惑星と呼ぶか呼ばないかによって冥王星の存在そのものが変化するものではなくあくまでも人間がどういう理由で惑星と惑星ではないものを区別するかだけの話です。少なくとも、太陽系の研究者の間ではかなり前から冥王星が惑星として呼ばれていることに疑問がありました。1930年に冥王星がトンボーによって発見されてまもなく、1950年代にエッジワースとカイパーによって独立に冥王星近辺(海王星よりも遠く)に小天体がいるのではないかと提案されました。その後、望遠鏡が大型化して暗い天体も観測できるようになったので何人かの研究者によってこのような天体の捜索が始まりました。そしてついに1992年最初の太陽系外縁天体1992QB1が発見されました。一つ発見されるとそれに続く捜索でも次々と新天体が発見され2007年現在すでに1000個を超える天体が発見されています。
そんな中、大方の予想通り冥王星と似た軌道を持つ天体もいくつも発見されるようになりました。これにより冥王星は、外縁天体の親分と見た方が自然だろう見解が研究者の中では確立してきました。それでもまだ冥王星は親分であり、最大の外縁天体であったため冥王星を惑星からはずすという意見は少数でした。その流れを大きく変えて今日、惑星の定義を見直し冥王星が惑星の定義から外れるまでにはいくつかの大きな動きがあったと思います。個人的には、本来小惑星につけられる符号(軌道が確定したすべての小惑星についている通し番号)が冥王星に付与されたことで話は大きく動いたと思います。そして、最近になって2003年に発見されたエリスが冥王星よりも重いことが明らかとなり冥王星が太陽系外縁天体の親分でさえないことがわかりました。
これまで惑星として何の疑いも持っていなかった時代を考えるとまだまだ論争は続きそうです。
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